「日本だけで不動産を持つのはリスクであり、日本の不動産投資環境は海外から見れば特殊。原理原則をおさえれば、海外不動産投資でもしっかりと資産構築できる」と仰るのは、株式会社国際不動産エージェント・代表取締役社長の市川貴士氏。今回は、40年以上にわたる不動産業界での経験から得られた不動産投資の原理原則と、海外不動産投資の注意点などについてお話を伺いました。

インタビュイー:株式会社国際不動産エージェント 代表取締役社長 市川貴士氏

株式会社国際不動産エージェント公式サイト

https://ipag.jp/

インタビュアー:経営者のゴーストライター 中島宏明

40年以上にわたる不動産業界経験

――本日はありがとうございます。まずは、自己紹介からお願いします。

市川貴士氏(以下、市川氏):生まれは1961年で、大学を出た後1984年にリクルートに入社しました。株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)へ転籍し、25年間在籍して不動産営業・マーケティング・商品企画に従事しました。その後は、海外不動産の販売に携わって独立しています。

個人投資家から東証一部上場企業の社長まで、幅広いレンジにコンサルティングをしています。特に企業経営者からの海外経営・事業戦略の相談が増えており、また日本国内の地方都市の地主さんからの相談も増えてきています。40年以上は不動産業界に身を置いており、自分で売ったり買ったりも経験してきました。

海外不動産に関する本の出版や講演・セミナーなどの活動も続けており、定期的に発信しているPodcastは300回を超えました。海外不動産に関心がある人は、ぜひ聴いてみてください。

◆市川氏の著書『海外不動産投資はなぜドイツがいいのかホンネでお話しいたします(とりい書房)

市川貴士のラジオの時間(Podcast)

古くても資産になるのが海外不動産

――市川さんの長い不動産業界でのエピソードはまた別稿でお聞きできればと思いますが、日本人投資家が海外不動産を持つ意義にはどのようなことがあると市川さんは思いますか? 一般的には「分散」の方法のひとつだとは思うのですが。

市川氏:私の視点では、日本の不動産は海外から見れば特殊です。日本には減価償却という概念があり、建物の価値が下がっていきます。アメリカやドイツにも減価償却の概念はあるのですが、アメリカの場合、新築でも中古でも耐用年数は27.5年で土地と建物を分けて考えられていません。アメリカやドイツの不動産は古くなっても資産になるので、長期投資・分散投資に向いていると思います。

例えば、アメリカでは高所得者でない人でも不動産を長く持てば資産家になれるのです。なぜ日本は古くても資産になるようにしなかったのか疑問です。22年で木造の建築物が使えなくなるわけではありませんよね。品質と管理次第ではありますが、神社仏閣は今も日本各地に残っています。最近は「100年コンクリート」のようなものも出てきたのですが、鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年になっています。まだ古い法律・慣例のままになっていることも多く、技術が先行していると感じます。日本の不動産も海外不動産も見てきた立場からすれば、日本国内だけで不動産を持つのはリスクでしかなく、もっと海外不動産にも目を向けてもらえたらと思います。

なぜ「国際不動産」なのか

――市川さんの会社は「国際不動産エージェント」ですが、海外不動産ではなく国際不動産という言葉を選んだ理由も教えてください。

市川氏:海外、国内に関係なく、お客様である投資家にとってメリットがあると思えばどこでも取り組むということです。社名に「海外」と付けず「国際」を使ったのは、日本の不動産を扱う可能性を排除したくなかったからです。

私たちの強みは、世界各地の現場で不動産を多く見てきて知見が蓄積されていること。その視点から言えば、海外の不動産だけでなく日本の地方不動産にもポテンシャルを感じます。それは、日本という国が数少ない「アジアの先進国」として、欧米圏とは異なる不動産価値体系を持っていることに発します。例えば弊社の鈴木学は、以下のように日本の地方不動産の魅力を語っています。

○住まい方…欧米圏では住宅を長年メンテしながら住まうのが一般的。必ずしも都心志向でなく、郊外や田舎の需要も高い。一方、日本を含むアジア圏は都心志向が強く、住宅は新築志向が強くてスクラップ&ビルドになりがち。建物の価値は、欧米では経年しても基本下がらないがアジアは下がる。

○日本で「地方」の「中古住宅」の取引価格は土地が安い上に建物は安くなりがち。一方で、日本の地方はインフラが整備され、快適で治安も良く、美しい自然文化景観も数多く残る。欧米視点で価値ある不動産(古家)も多いが、それが安値で放置されている。

○今はスマホ社会、シェアエコノミーで多様な住まい方が一般化してきた。定住需要以外の、観光や一時居住需要をマネタイズする方法も開発されてきた。欧米視点で価値ある日本の地方不動産を安値で仕入れてバリューアップするのが、投資家視点で見ると楽しい。

お客様である投資家の立場で最適な国内&海外不動産をご紹介することが弊社のモットーですので、自分たちが「これだ!」と確信を持てる不動産以外はご案内しません。私も鈴木も足を使って世界各国で情報を仕入れていますので、他社には真似できないと思います。

信頼できる現地エージェントを少しずつ増やし、現在では世界70ケ国の不動産の取扱が可能で、実際に取扱った国の実績は20ケ国以上になります。

【北米・南米】

カナダ、アメリカ、メキシコ

【欧州】

ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、チェコ、ハンガリー、エストニア、ラトビア、オランダ、イギリス、ロシア、トルコ、ギリシャ

【アフリカ】

ガーナ、南アフリカ

【オセアニア】

オーストラリア、ニュージーランド

【アジア】

シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア、ブルネイ、ラオス、韓国、中国、日本、バングラディシュ、インド、ウズペキスタン

2019年には、スペイン・バルセロナの不動産セミナーをスペイン大使館で開催し、約100名のお客様にご参加いただきました。これもスペインのエージェントとの信頼関係があってこそです。

海外不動産を取扱う多くの会社は、海外の物件を日本企業が一度買い取り、手数料を上乗せして再販しています。そのため、売却価格の低さに驚くことも少なくありません。弊社は「投資は売却時(出口)も重要」と考えており、現地価格で販売しています。

お客様の資産形成やリクエストに適した国・都市を選定し、購入時だけでなく、出口戦略まで考えた上で、優良な物件をご紹介します。出口戦略まで視野に入れていますから、当然ですが「売って終わり」ではなく、管理運営サービスも充実させています。

――ありがとうございます。後編では、今売れている海外不動産についてもお聞きできればと思います。

↓後編に続きます…↓

この記事を書いた人

WMJ編集部

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