今月のコンテンツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1)9月のJREIT市況の振り返り

2)10月のJREIT市場の見通し 

3)10月の決算銘柄について(今回は2銘柄紹介)

注:執筆は9月30日後場終了時点です。

先月のレポートはこちら:第8回  JREITマンスリーレポート

22年9月のJREIT市場全体の振り返り

22年9月1日~30日のJREIT市況を簡単に振り返っておきましょう。

(9月30日後場終了時点での執筆です。)

東証JREIT指数(総合)は、9月に入っても2000ポイントを維持し好調が続いていました。7月22日以降9月22日まで概ね2000ポイント以上をキープしていました。しかし、9月20-21日のアメリカFOMC会合を受けて0.75ポイントの金利上昇が決まると、3連休を挟んで26日から大きく落とし、その後も劣勢が続きます。30日(金)には一時1900ポイント切りそうな展開でした(1906ポイント)が、後場終了時点では1945ポイントで終えました。この1週間で、約6%の下げとなりました。同期間で日経平均は、-2%程度でしたので、JREITの下げ幅の大きさが分かります。

全JREIT分配金利回りの平均は、3.73%(9月30日終了時点)で、前月末は3.58%でしたので、少し利回りは高くなりました。

10月のJREIT市場の見通し

先月の本レポートで、「アメリカの政策金利を決めるFOMCは9月20日から開催されますが、その少し前から、思惑が広がりはじめ、JREITにも、若干ネガティブな動きがでるでしょう。しかし、それまでは、比較的順調に推移するものと思われます。」と書きましたが、「若干ネガティブな」よりも、幾分大きな下げとなりましたが、概ね予想通りとなりました。

10月のJREIT市場は、9月終盤の下げ基調から、幾分戻すと思いますが、しかしいくつかの懸念点があります。

1つ目は、世界の金利の動向です。インフレ抑制のため先進国の中央銀行は、「経済状況悪化は仕方ない」との意思を感じる程度の急ピッチな利上げを行っています。この影響は少なからず出ると思われます。

もう1つは、アメリカの住宅価格に下げ気配が出てきたことです。9月27日(火)に発表されたケースシラー住宅価格指数は、前年比は10%を超えるプラスですが、3カ月連続で前年比プラス幅が小さくなっています。また12年ぶりに前月比マイナスとなり、大きな衝撃が走りました。日本のJREIT市場にも少なからず影響がありそうです。

10月の決算銘柄

10月(10月・4月決算期パターン)に決算を迎える銘柄は8本あります。

そのうち、2銘柄を紹介しましょう。

(注:10月決算銘柄の権利落ち日は10月28日(金)となります。)

・積水ハウス リート投資法人(3309)は、積水ハウスの総合型REITです。元は住居系REITだった積水ハウスレジデンシャル投資法人が別にあり、これを吸収合併し総合型となりました。棟数別では全121棟のうち、住居系が113と圧倒的多数で、オフィス系7、ホテル1となっています(物件取得価格では、住居系対非住居系=約半々)。住居系は都心が中心ですが、それでも半分弱で、分散が効いていると言えます。

最も取得価格が高い物件は、品川御殿山のソニー本社跡地に建つ、オフィスビル「ガーデンシティ品川御殿山」で13%を占めます。品川駅、五反田駅の2つが最寄り駅ですが、ともに徒歩では距離があり、巡回バスを走らせていますが、一時期はかなり苦戦していたようです。この旗艦ビルの稼働状況次第では、分配金と投資口価格に大きな影響が出るかもしれません。

・ケネディクスオフィス投資法人(8972)は、都心でよく見かけるKDXビルがポートフォリオに組み込まれているオフィスリートです。都心5区に位置する物件が全体の約半分(49/98)で、中型ビルが89物件と、中規模ビル特化という特徴があります。特化する事で特徴を出し稼働率は97%を超える高稼働率を実現しています。

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この記事を書いた人

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長 
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

【著書】
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。

【レギュラー出演】
ラジオNIKKEI「吉崎誠二のウォームアップ840」
ラジオNIKKEI「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演