今月のコンテンツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1)8月のJREIT市況の振り返り
2)9月のJREIT市場の見通し
3)物流系REITは大丈夫か?
4)9月の決算銘柄について(今回は2銘柄紹介)
注:執筆は8月31日後場終了時点です。
■22年8月のJREIT市場全体の振り返り
22年8月1日~31日のJREIT市況の振り返りをお伝えします。
(8月31日後場終了時点での執筆です。)
東証JREIT指数(総合)は、8月1日(月)2035ポイントからスタートしました。7月1日は1945ポイントでしたが、7月22日(金)に2000ポイントを超えて以降、好調が続いています。前号で、「7月半ば以降はアメリカ10年国債の金利低下が続き、その流れでJREITに資金流入があったものと考えられます。」と書きましたが、8月22日からの週は、アメリカでの利上げが継続されるとの思惑から10年国債金利の上昇が見られました。8月上旬のアメリカ10年物国債は2.5%台だったのが、3%台を超えています。JREITを安全資産とみての資金流入とみれば、この影響が色濃く出て、東証REIT指数は22日からしばらく低下しました。その後、回復し、30日には2044ポイント(8月の最高値)、31日は2033ポイントで終えました。
全JREIT分配金利回りの平均は、3.58%(8月31日終了時点)で、前月末とあまり変わらない水準でした。
■9月のJREIT市場の見通し
アメリカの政策金利を決めるFOMCは9月20日から開催されますが、今回0.5%程度の利上げが行われそうです。その少し前から、思惑が広がりはじめ、JREITにも、若干ネガティブな動きがでるでしょう。
しかし、それまでは、比較的順調に推移するものと思われます。
■物流系REITは、大丈夫か?
大和ハウスリート投資法人(8984)が8月31日、「計画していた新投資口発行(株式の増資に相当)などによる270億円程度の資金調達を中止すると発表しました。物流施設の取得に充てる予定だったが、入居する物流会社の日本ロジステック(東京・千代田)が民事再生法の適用を申請したため、物件取得を中止した。」(日経新聞より)と発表しました。これにより、物件取得を前提に23年2月期の業績予測の上方修正をしていたものを修正する、と発表されました。
好調が続いていた物流業界ですが、日本ロジスティクス、その関連子会社の日本ロジスティクサポートの民事再生手続きにより、「今後はそうとも言えない」との思惑が広がれば、物流系REITの価格に影響が出そうです。
■9月の決算銘柄
9月(9月・3月決算期)に決算を迎える銘柄は5本あります。この決算パターンは最も少ないパターンです。スポンサー企業の多く、つまり大企業の多くが3月決算であることから、それらと重複するのを避けているからだと思われます。
そのうち、2銘柄を紹介しましょう。
(9月決算銘柄の権利落ち日は9月29日(木)となります。)
・ケネディクス商業リート投資法人(3453)は、都市部でビルをよくみるケネディクス(KDX)をスポンサーとする商業系リートです。「生活密着型商業施設」への重点投資をかかげています。地域密着型の食品スーパーや専門店街施設が中心で、Eコマースが伸びている影響や、最近の新型コロナウイルスの影響などを受けにくいポートフォリオ構成です。分配金利回りは概ね4%台後半で、利回り重視の投資家からの支持を集めているようです。
・ジャパンリアルエステイト投資法人(8952)は、最古参のリートの1つです。2001年JREITスタート時に上場した銘柄は、日本ビルファンドとこのジャパンリアルエステイトの2つでした。三菱地所がスポンサーのオフィス系REITで、都心が7割のポートフォリオ構成となっています。三菱系らしく、丸の内周辺のビルが多く含まれています。時価総額は3位(8月31日時点)と超大型REITで、分配金利回りは全体平均に近い3.5%前後での推移となっています。
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