
2022年の株式相場は、世界各国の中央銀行による金融政策と世界各地の物価動向に振り回された一年でした。2023年も引き続きそれらに注目しつつ、さらに重要になるのは「スピード感ある金融引き締め策が景気にどう影響してくるのか」を見極めることでしょう。今回は、2023年の景気動向を読み解くポイントをまとめました。
ポイント①世界経済の成長率は、2022年の3.2%から2.7%へ減速
国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しでは、2023年の先進国・地域の経済成長がいずれも下落し、新興市場国と途上国の成長率も大半が落ち込むと予測されています。
ただ、日本のみならず多くの国では、資源高の影響を和らげるために補助金などで財政支出しており、これが景気を下支えすることから、世界的に深刻な不況に陥ることは回避できると見る専門家が大半です。中でも、日本の成長率が他の先進国と比較して「相対的に底堅い」というのも共通の意見であり、投資マネーの逃避先に日本株が選ばれても不思議ではありません。
ポイント②中国の成長率は上昇する見通し
ゼロコロナ政策が修正された中国では感染者が急増し、現地に進出している日系企業でも工場の稼働率が低下するなどの影響が広がっています。その一方で、北京など一部の都市では感染がピークを越えたとして、職場に復帰し始める動きも出ていると聞きます。広く免疫を獲得できれば、リベンジ消費が始まり、消費は持ち直すでしょう。
さらに、減税などの景気対策と金融緩和を継続するなら、4-6月期にも景気回復を実現できる可能性もあります。昨年の懸念事項だったサプライチェーンが安定する条件も整いますから、日本企業の業績に寄与してくれるはずです。
ポイント③米国のリセッションは深刻化しないと見る専門家が多い
米国のFF金利は、3月のFOMCまで毎月0.25%ずつ利上げされた後、2023年を通して据え置かれると見られています。金利を長期間据え置くことで、需要は「緩やかに減少」し、物価の伸びも「徐々に鈍化していく」と、多くの専門家は予測しています。
「緩やかに減少」していくことを前提にするなら、たとえリセッション入りしたとしても、それほど深刻なものにはならないということ。早ければ、「4-6月期には底を打ち、その後は緩やかな成長が続く」という意見もあり、リセッションの度合いは比較的浅く済むのかもしれません。
ポイント④日銀の金融政策は、どう影響するのか
2022年12月に開催された日銀の金融政策決定会合では、±0.25%程度だった長期金利の許容変動幅を、±0.5%に拡大することが決まりました。発表直後、金融市場は動揺し、日経平均株価は下落。ドル円相場も急落しました。
ただ、黒田総裁はその後「さらなる金融引き締めへの入り口ではない」と繰り返し発言。多くの市場関係者も同様に、日銀が本格的な金融引き締めに舵を切る可能性は低く、4月9日に新総裁が就任した後も、早々にマイナス金利を解除して連続利上げに踏み切るようなことはないと見ています。
注意すべきは、日銀当座預金の政策金利残高に付利されている「マイナス金利の見直しが議論される」可能性があること。しかし、その場合も2022年12月に起きたショック安のような動きにならないよう、慎重に金融市場と対話を行いながら、日本経済や日本株、為替市場へのダメージを極力小さくするよう進めていくことになるはずです。
以上、4つのポイントをふまえると、日本景気もそれほど大幅に下振れることはないように思えます。2023年前半は世界的な景気減速が見込まれており、日本株を取り巻く環境も厳しいものになるかもしれませんが、一年を通じて悲観一色ということはなさそうです。
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