金融市場が不調なときでも、安定的に収益をあげてくれる投資先があれば、堅実な資産分散が可能になります。不動産などの伝統資産もありますが、今後の伸びしろを考慮すると「トランクルーム事業」という選択肢も視野に入れておくと良いかもしれません。今回は前編に続き、物件未所有でもできるトランクルーム投資「収納ピット」を運営する、株式会社アンビシャス取締役・営業部長兼東京支社長の清水昭安氏にお話を伺いました。

インタビュイー:株式会社アンビシャス 取締役・営業部長 兼 東京支社長 清水昭安氏

清水昭安氏
株式会社アンビシャス公式サイト

⇒https://ambitious8.biz/

全国のトランクルーム「収納ピット」

⇒https://www.syuno-pit.biz/

インタビュアー:経営者のゴーストライター 中島宏明

会社経営者の投資家も多数

――後編では、投資家の方々の声やアンビシャス様の理念・ビジョン等についてもお伺いできればと思います。実際に「収納ピット」に投資されている方々には、どのような投資家が多いのでしょうか?

清水昭安氏(以下、清水氏):個人投資家の方々もいらっしゃいますが、会社経営者の方々に投資していただいております。弊社のホームページにも「投資家様の声」として掲載させていただいておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

出典:投資家様の声

本日はその中から、一部を抜粋してご紹介します。

「手間いらずで、家賃が下がらない。正直、最初に建てた賃貸住宅より、ものすごい利回りは高いです。」

――有限会社YMN 代表取締役 山野様

「1年ちょっとで35部屋稼働なので良いです。集客に困っていない。当初はチラシまいたりが良かった。築20年を立っているマンション等と比べると、内装を変えたり、エアコンが壊れたり、買ってすぐに雨漏りがあったので、防水塗装等お金がかかりましたが、そのような費用がかかりませんでした。減価償却の件も法定耐用年数表に応じて、そのまま税理士さんに提出しました。税金対策にもなっています。」

――株式会社エヌマージュ 代表 宮﨑様

「本業が収益体質になっていれば、スペースが埋まるまでの出費は節税対策であり、将来の安定収入への投資と考えることができます。また、経営者としては、経済危機や社会不安などに左右されず、安定した収入が見込める点に安心感を覚えます。さらに、本業でどうしてもキャッシュが必要になった時には、買い手もたくさんいるため、スムーズな換金が可能です。」

――製造業向けの人材派遣や特許事務所向けの弁理士・
特許技術者等の有資格者を派遣する人材サービスの会社を経営されている飯田様

「10年以上のお付き合いの中で、収納ピットは当初の目的である売り上げの平準化にも貢献してくれています。コロナ禍で本業がダメージを受けても、収納ピットは変わらず収益を上げ続けてくれました。」

――株式会社カーゾック 取締役後方支援本部長 若林様

企業理念「志の高い人格者の輩出によって、社会に貢献する。」

――「投資家様の声」を拝見したり、清水さんとお話していると、とても誠実で真摯な方という印象を受けるのですが、社員教育がしっかりされているのですね。

清水氏:そう仰っていただけると嬉しいです。弊社は、経営理念として「人間も経営も政も、器である。志を時空で感じる人格者であれ。」という言葉を掲げています。

器には、清も毒も入れることができます。だからこそ、正しい意思決定を行う人格が大切です。常に、目的・志を忘れず、時間ではなく時空を感じることのできる人格者であることを目指します。

と、経営理念に添えられており、この理念を忘れることなく日々の業務にあたっています。

また、企業理念の「志の高い人格者の輩出によって、社会に貢献する。」の実現を、真面目に目指す企業で、社員教育も経営理念と企業理念を軸に行っております。

――この言葉に辿り着いた背景には、どのようなことがあるのでしょうか?

清水氏:弊社の創業者は東証マザーズ(当時)に上場していた株式会社ネクストジャパンホールディングスで専務をしていたのですが、「次の未来を担う人材を育てる」という理念を掲げている企業でした。しかし上場後、株価経営になってしまったそうです。 「自分がトップじゃないと会社は変えられない」という意識があり、アンビシャスを立ち上げることに繋がっています。

当時の反省と課題意識が、今の弊社の経営理念と企業理念につながっています。未来や人材に眼差しを向けていることは変わりありませんが、弊社は今後どんなに成長しても原点を忘れず、理念を実現していきます。

――清水さんは、今では取締役・営業部長兼東京支社長を任されていますが、最初はインターンからだったのですよね?

清水氏:はい。当時18歳で、まだ社長1人のときにインターンとして会社に関わり始めました。トランクルーム事業は、まだ15店舗しかない頃です。学生とベンチャー企業をつなぐNPOのイベントで社長と出会い、「6ヶ月成長インターンシッププログラム」というプログラムに参加しました。

当時からベンチャー志望の学生だった、というわけではなく、どちらかと言えば大企業志望だったと思います。通学時に、「楽しくなさそうに通勤しているように見える大人」を見ていたのですが、そのNPOのイベントで見た中小企業社長は輝いて見えました。そんな輝いて見える経営者に共通しているのは、「人を大切にしている」ということです。お客様や社員、取引先はもちろんですが、出会う人みんなを大切にしている。そんな姿に感銘を受けました。

そこで出会った中小企業社長の方々と、5年後に再会する機会があったのですが、事業や仕事への熱量は変わってないものの、業績が拡大していない会社が多いことに気づきました。

熱量があるのに成長できないのはなぜか?

突き詰めて考えると、経営者の手腕次第で事業を拡大し、会社を成長させることができるのではないか?という考えに辿り着きました。社長は登記すればだれでもなれますが、経営者はそうではありません。日本には、経営者が足りていないのではないかと感じることがあります。人を大切にできる人、それでいて、経営ができる人。両方できる人は少ないと思いますので、アンビシャスからそんな人財を輩出していきたいですね。これは私にとっても使命です。

――インターンで関わり始めて、22歳で新卒1期生として入社。28歳 で取締役就任と、出世コースを進んでいるように思うのですが、清水さんの取締役就任には会社の想いも込められているのでしょうね。

清水氏:成果を出し続けて会社の未来をつくってほしい。同時に、経営をより深く学び、どこでも経営できるプロ経営者になってほしい、ということだと捉えています。立場が人を育てるという面もありますので、まだ若かったのかもしれませんが理念のとおりの会社だと感じています。

取締役就任当初、「失敗しないように失敗しないように」という思考になってしまい、それは怒られました。創業者から「役員1年生に何も期待してないから」とハッキリ言われて。それで肩の荷が下りました。そんな言葉をかけられる経営者に、私もなりたいです。

会社としての強みは、経営理念・企業理念に共感した人が集まることで、「成長意欲の高い人財」がいて、さらに組織に「哲学&人としての考え方」が根付いていること。また、セオリーどおりの経営を忠実に再現していることがあると考えています。

弊社では「考え方」という言葉を頻繁に使い、入社後もくり返し学んで体得していきます。

能力×スキル×考え方=成果

という方程式があり、社員一人ひとりが物事の善悪を考えられる文化があります。また、ビジョナリーカンパニーやドラッカーの著書から経営の原理原則を学び、それを実行していくので、我流になりませんし、流行や他に気が移ることもありません。もちろん、歴史から学ぶことは言葉では簡単そうに思えますが、実行するのは難しいことです。ですが、原理原則を理解しないと再現性を高めることはできませんので、常に学び続けています。

――そんな企業文化があることも、御社の強みですね。

トランクルーム事業のポテンシャル

――では最後に、今後の展望などもお聞かせください。

清水氏:市場が順調に伸び続けているため、店舗展開の加速が鍵です。現在、デットスペースを持つ企業様との連携を進めています。イオン様やセブン&アイ・ホールディングス様、電鉄関連会社様と情報交換し、実際に店舗開発も行っています。「ショッピングモールのテナントが入らないので、倉庫にしている」というデットスペースがあったり、「会議室だったけど、リモートワークになって会議室を減らした」「倉庫だったけど、在庫管理をシステム化したのでスペースができた」など、働き方の変化などによって生じたデットスペースをトランクルームとして有効活用できると考えています。

投資家様の集客目線では、IFA法人、金融機関、税理士・会計事務所、ファンド等との連携を今後も強化していきます。ファンド連携となれば、 「EXIT(出口戦略)までできる」という弊社の強みも活かせると思います。

特に決算対策が必要な時期となれば、毎日のように投資家様から「売り物件はないか?」というご連絡が入るくらいです。また、新店であれば稼働率が高まるまでの約2年間はキャッシュアウト中心になりますので、すでにある程度稼働実績のある既存店を買いたいというニーズもあります。営業権の譲渡ですから書類手続きだけでよく、電子署名・1日で完了します。すでに経済圏がありますので、流動性が高いことも利点です。

弊社は一都三県、京阪神と都心部中心に展開しておりますが、都心部だけでなく地方展開も積極的に行い、高稼働率を実現している競合店もいます。弊社の場合、店舗数が増え、社内に500店舗を超えるデータが蓄積されてきたこともあり、稼働計画の精度は年々上がってきています。計画の上振れ下振れなどはありますが、開業から2年経過すれば、安定稼働水準目安の稼働率80%に到達していきます。また、ストック型の収入で先が読める事業ですので、事業計画・投資計画も立てやすいという特徴があります。景気に左右されない事業ですので、安定的な収益源になり、投資家様にも喜んでいただけています。

弊社は今後、IPOや海外進出など、たくさんの目標を 掲げ、実現していきたいと考えています。屋内型トランクルームとしてはNo.1になることができましたが、今後は業界No.1を目指します。

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この記事を書いた人

WMJ編集部

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